カテゴリー別アーカイブ: 日本医科大学

10.1.7分子水素は酸化ストレス抑制と合わせて新たな機作により軟骨細胞を守る

学術雑誌名:Medical Gas Research,2011,1:18 表題:Molecular hydrogen protects chondrocytes from oxidative stress and indirectly alters gene expressions through reducing peroxynitrite derived from nitric oxide 著者:T. Hanaoka et al(日本医科大学) 概要:分子水素(H2)は酸化ストレス、炎症、アレルギー等の動物モデル及びヒトの臨床において多彩な防御機能があることが報告されている。本研究では分子水素(H2)の抗酸化作用に加えて新たな生理機能を解明する目的で水素がNO・(酸化窒素)からできるONOO-の減少を介して間接的に遺伝子発現制御に関わっている可能性を検討した。

カテゴリー: 10. 水素の医療応用, 10.1.作用メカニズムに関する研究, Medical Gas Research, 抗酸化作用, 日本医科大学, 水素, 炎症, 研究機関 |

10.1.5 水素(H2)は酸化ストレスを抑制してミトコンドリア病を改善

学術雑誌名:Biochim. Biophys. Acta, doi:10.1016/j.bbagen.2011.05.006 表題:Molecular hydrogen is a novel antioxidant to efficiently reduce oxidative stress with potential for the improvement of mitochondrial diseases(訳:分子水素は酸化ストレスを効率的に抑制する新たな抗酸化剤としてミトコンドリア病を改善する) 著者:太田成男(日本医科大学老化科学研究所) 概要:ミトコンドリアは主たる酸化ストレスの起源であり、酸化ストレスは組織障害を起こし多くの疾患や、ガン、老化の引き金となる。

カテゴリー: 10. 水素の医療応用, 10.1.作用メカニズムに関する研究, BIochem.Biophys.Res.Comm., ガン, 副作用, 抗炎症作用, 日本医科大学, 水素, 研究機関, 組織障害 |

2.2.2 水素水はパーキンソン病モデルラットの発症と悪化を抑制

学術雑誌名:Neuroscience Letter, Vol.. 453, issue 2, April 2009, page 81-85 表題:Molecular hydrogen is protective against 6-hydroxydopamine-induced nigrostriatal degeneration in a rat model of Parkinson’s disease(分子状水素は6-ハイドロキシドーパミンで誘導したラットのパーキンソン病モデルにおいて黒質線条体変性を防護する) 著者:Yuan Fu et al(名古屋大学、岐阜国際バイオテクノロジー研究所、中部大学、名古屋中央病院、日本医科大学) 概要:分子水素はヒドロキシラジカルを選択的に阻害する抗酸化作用を有する。パーキンソン病はミトコンドリアの機能障害と酸化ストレスによりドーパミン神経の消失が主因である。

カテゴリー: 2. 神経変性疾患、筋疾患: 認知症、パーキンソン病、進行性筋ジストロフィー他, 2.2 パーキンソン病, ドーパミン, パーキンソン病, ヒドロキシラジカル, 中部大学, 名古屋中央病院, 岐阜国際バイオテク研究所, 抗酸化作用, 日本医科大学, 水素, 活性酸素, 研究機関 |

1.5.1 水素水は肥満に有効

学術雑誌名:Obesity (2011)doi:10, 1038/oby. 2011.6 表題:Molecular Hydrogen Improves Obesity and Diabetes by inducing Hepatic FGF21 and Stimulating Energy Metabolism in db/db Mice(訳:分子水素は糖尿病マウスにおいて肝臓のFGF21の誘導およびエネルギー代謝を促進することにより肥満および糖尿病を改善する 著者:N. Kamimura, K. Nishimaki, I. Ohsawa and S. Ohta(日本医科大学、東京都健康長寿医療センター) 概要:分子水素は酸化ストレスで起こる疾患に有効である事が知られているが生体内における水素の挙動の詳細は不明であった。 本研究においてはまず初めに肝臓のグリコーゲンが水素水投与後の水素を蓄積することによって、短期に少量ずつ水素を与えたときに諸疾患モデルにおいてなぜ有効な作用が得られるかを示し、ついでレプチン受容体が欠損したdb/db肥満マウスを用いて自由摂取させた水素水の抗2型糖尿病効果を示した。

カテゴリー: 1. 生活習慣病関連, 1.5 肥満, 2型糖尿病, Obesity, インスリン, エネルギー代謝, グリコーゲン, ダイエット, ホルモン, メタボリックシンドローム, レプチン, 中性脂肪, 受容体, 抑制効果, 日本医科大学, 東京都健康長寿医療センター, 水素, 水素水, 糖尿病, 肥満, 脂肪肝, 血清グルコース |

3.1.2 水素ガスは肝障害を抑制

学術雑誌名:Biochem. Biophysi. Res. Commn., 361(2007), 670~674 表題:Inhalation of hydrogen gas suppresses hepatic injury caused by ischemic/reperfusion through reducing oxidative stress(水素ガスの吸引により酸化ストレスの軽減作用を介して虚血・再潅流によって起こる肝障害を抑制する) 著者:Kei-ichi Fukuda et al(日本医科大学) 概要:著者らはこれまでに、分子状水素は選択的に細胞障害性の有害な活性酸素を削減する作用を有し、脳梗塞の梗塞量を減少する事を明らかにしてきた。

カテゴリー: 3. 消化器疾患関連:腸疾患、肝臓病、膵臓病等, 3.1 肝疾患, BIochem.Biophys.Res.Comm., 日本医科大学, 水素, 水素水, 活性酸素, 研究機関, 肝障害, 脳梗塞, 虚血再還流障害 |

10.1.1 水素(H2)の抗酸化治療物質としての有用性

学術雑誌名:Nature Medicine(電子版)、2007年5月7日にオンライン発行 表題:Hydrogen acts as a therapeutic antioxidant by selectively reducing cytotoxic oxygen radicals (水素は、酸素ラジカルの細胞毒性を選択的に還元することにより、治療用抗酸化物質として作用する) 著者:太田成男 他 (日本医科大学老人病研他) 概要:急性の酸化ストレスは、深刻な組織損傷を引き起こし、持続性の酸化ストレスは癌など、 多くの一般的な疾患の原因の一つであることが認められている。

カテゴリー: 10. 水素の医療応用, 10.1.作用メカニズムに関する研究, Nature Medicine, 抗酸化物質, 日本医科大学, 水素, 活性酸素, 研究機関 |

10.2.3 水素による抗酸化治療と予防

学術雑誌名:実験医学、Vol.26,No.13,(8月号), P2074~2080, 2008/日老医誌、2008:45:355-362 表題:水素分子による新しい概念の抗酸化治療法と予防医学 著者:太田成男、大沢郁朗(日本医科大学) 概要:水素分子(H2)の有する治療剤及び予防剤としての有用性に関して、著者らのこれまでの研究成果を紹介した。 水素分子(H2)は適度な還元力をもち、有害な活性酸素種を選択的に還元消去し、細胞培養系で酸化ストレスによる細胞障害を軽減する。 動物個体レベルにおいても、虚血再還灌流により急激な酸化ストレスを与えた時、水素ガス吸引によって動物組織は保護された。 さらに、水に溶かしたH2を与えると、病態モデルマウスの動脈硬化や認知機能低下は抑制された。 これらにより、水素分子の治療・予防効果が示唆された。

カテゴリー: 10. 水素の医療応用, 10.2.医療応用に関する総説, 実験医学, 日本医科大学, 日老医誌, 水素, 活性酸素, 研究機関, 虚血再還流障害 |

9.1 水素水点滴により眼の障害を予防

学術雑誌名 :Investigative Ophthalmology & Visual Sci. 2010;51:487-492 表題 :Rapid Diffusion of Hydrogen Protects the Retina: Administration to the Eye of Hydrogen-containing Saline in Retinal Ischemia-Reperfusion Injury(水素は急速に拡散して網膜を保護する:網膜の虚血―再還流障害において水素含有生理食塩水を眼に投与) 著者 :Hideaki Oharazawa et al(所属機関:日本医科大学) 概要:眼圧の一過性上昇(IOP)による網膜の虚血―再還流障害は活性酸素種(ROS)の生成によって、神経障害を招く事が知られている。 分子水素(H2)は・OHラジカルを選択的に抑える。 飽和レベルまで水素を溶解した水素水を、IPOで惹起した網膜の虚血―再還流障害を起こしたマウスの眼の表面に連続的に滴下した。 酸化ストレスマーカーの測定、並びに網膜厚を測定し、7日後の障害度を評価した。水素水滴下によって、硝子体内の水素濃度は直ちに上昇し、・OHラジカルは減少した。 更に、組織中の酸化ストレスマーカー陽性細胞は、減少し網膜が薄くなるのを防止した。水素はヒトには無害であり、本研究の結果は急性の網膜虚血―再還流障害による神経防護剤として、治療に有用である事を示唆している。

カテゴリー: 9. 眼疾患, Investigative Ophthalmology & Visual Sci., 日本医科大学, 水素, 水素水, 活性酸素, 研究機関, 神経障害, 網膜, 虚血再還流障害 |

4.1.1 分子水素(H2)は抗がん剤シスプラチンによって起こる腎毒性を軽減する

学術雑誌名:Cancer Chemothe.Phamacol., (2009) 64: 753-761 表題:Molecular hydrogen alleviates nephrotoxicity induced by an anti-cancer drug cisplatin without compromising anti-tumor activity in mice(分子水素(H2)はマウスで抗がん剤のシスプラチンによって起こる腎毒性をその抗がん作用を抑えることなく軽減する) 著者:Naomi Nakashima-Kamimura et al(日本医科大学) 概要:シスプラチンは汎用されている抗がん剤であるが酸化ストレスによる腎毒性が強いため その使用が限られる。 著者らはこれまでに、分子状水素(H2)が酸化ストレスを削減することを報告してきたが、本研究ではマウスを用いて、水素がシスプラチンの抗がん剤としての効力に影響することなく、腎に対する副作用を緩和する事を明らかにした。

カテゴリー: 4.1  腎炎、腎症, Cancer Chemothe.Phamacol., シスプラチン, 副作用, 抗がん剤, 日本医科大学, 水素, 研究機関, 腎毒性 |

1.4.1 水素ガス吸引により心筋梗塞-再潅流による梗塞部位の傷害が軽減する

学術雑誌名:Biochem. Biophys. Res. Commun., 373(2008), p30-35 表題:Inhalation of hydrogen gas reduces infarct size in the rat model of myocardial Ischemia-reperfusion injuly(水素ガス吸引によってラットの心筋虚血―再還流傷害による梗塞サイズが減少する) 著者:Kentaro Hayashi et al(所属機関 慶応大学医学部、日本医科大学) 概要:水素(H2) ガス吸引によって、脳や肝臓の虚血―再還流傷害による梗塞量が減少する事が、齧歯類(げっしるい)で明らかにされてきた。 医療応用を考える時、冠動脈の血管形成による再貫通は、日常的に行われているので、水素ガスの併用を検討する意義は大きい。 分離した心臓を用いて検討した結果、水素ガスは虚血―再貫通による左心室通気機能の 回復を増強した。吸引した水素ガスは、結紮虚血部位に速やかに運ばれ、血流の回復に利用される。 水素ガスは、燃焼する危険以下の安全な濃度で吸引することによ り、血行動態を変えることなく、有害な左心室再構築を防ぐことによって、虚血―再還流による梗塞サイズを減少した。 すなわち水素ガスは、冠動脈再開通に合わせて用いることにより、虚血―再還流傷害を軽減する有用な治療法として期待できる。

カテゴリー: 1. 生活習慣病関連, 1.4. 高脂血症・心筋梗塞・脳梗塞・老化, BIochem.Biophys.Res.Comm., 冠動脈, 慶応大学医学部, 日本医科大学, 水素, 研究機関, 虚血再還流障害, 血流 |