カテゴリー別アーカイブ: 活性酸素

11.1 癌(ガン)の高圧水素ガス治療

学術雑誌名:Science, New Series,190, 4210(Oct. 10, 1975), pp152-154 表題:Hyperbaric Hydrogen Therapy:A possible Treatment for cancer(癌(ガン)の高圧水素ガス治療:その可能性) 著者:M.Dole(Baylor大学、米国) 概要:2.5%酸素と97.5%水素の混合ガスで、高圧化に活性酸素抑制を指標として、マウス皮膚癌(ガン)に対する治療効果を検討した。 高圧チェンバー内で、2週間治療した結果、顕著な癌(ガン)増殖抑制効果が認められた。 その作用機構に関しては、更なる検討を要するが、活性酸素の抑制との関連性も示唆された。

カテゴリー: 11. 癌関連, Baylor大学, New Series, Science, ガン, 抑制効果, 水素, 活性酸素 |

7.1 小腸移植後障害の予防効果

学術雑誌名:American J. of Transplantation, 2008, 8: 1-10 表題:Hydrogen Inhalation Ameliorates Oxidative Stress in transplantation Induced Intestinal Graft Injury(水素吸引により小腸移植障害で生じる移殖による酸化ストレス障害を改善する) 著者:B.M.Buchholz et.al(所属機関 ピッツバーグ大学外科スターツル研究所、他) 概要:小腸移植後時に、虚血再還流により運動不全、炎症、臓器不全等が起こる。 水素吸引により、活性酸素種の高毒性・OHが排除され事から、上記移殖障害が水素吸引によって改善される事が期待される。 ルイスラットに同種移植した後、2%水素ガス吸引により上記組織障害は、有意に改善された。同時にCCL2等の炎症性サイトカインが減少し、脂質過酸化及びその産物のマロンジアルデヒドも低下した。 この事は、移殖による障害は酸化ストレスに多く起因する事示唆した。 水素吸引は酸化ストレスによる腸の移殖障害を抑制するとともに抗酸化作用を介する抗炎症作用により遠位の臓器の障害も予防する事が明らかになった。 これらの結果は、小腸移植障害に対して、水素吸引が臨床的に有用であることを示唆している。

カテゴリー: 7. 臓器移植、心、肺、腎、腸等, American J. of Transplantation, サイトカイン, ピッツバーグ大医療センター, 抗炎症作用, 水素, 活性酸素, 炎症, 研究機関, 虚血再還流障害 |

9.1 水素水点滴により眼の障害を予防

学術雑誌名 :Investigative Ophthalmology & Visual Sci. 2010;51:487-492 表題 :Rapid Diffusion of Hydrogen Protects the Retina: Administration to the Eye of Hydrogen-containing Saline in Retinal Ischemia-Reperfusion Injury(水素は急速に拡散して網膜を保護する:網膜の虚血―再還流障害において水素含有生理食塩水を眼に投与) 著者 :Hideaki Oharazawa et al(所属機関:日本医科大学) 概要:眼圧の一過性上昇(IOP)による網膜の虚血―再還流障害は活性酸素種(ROS)の生成によって、神経障害を招く事が知られている。 分子水素(H2)は・OHラジカルを選択的に抑える。 飽和レベルまで水素を溶解した水素水を、IPOで惹起した網膜の虚血―再還流障害を起こしたマウスの眼の表面に連続的に滴下した。 酸化ストレスマーカーの測定、並びに網膜厚を測定し、7日後の障害度を評価した。水素水滴下によって、硝子体内の水素濃度は直ちに上昇し、・OHラジカルは減少した。 更に、組織中の酸化ストレスマーカー陽性細胞は、減少し網膜が薄くなるのを防止した。水素はヒトには無害であり、本研究の結果は急性の網膜虚血―再還流障害による神経防護剤として、治療に有用である事を示唆している。

カテゴリー: 9. 眼疾患, Investigative Ophthalmology & Visual Sci., 日本医科大学, 水素, 水素水, 活性酸素, 研究機関, 神経障害, 網膜, 虚血再還流障害 |

4.2.2 電解還元水は終末腎透析患者の血液透析によって生じる赤血球障害を減少した

学術雑誌名:Kidney International advance online publication, 7 June 2006; doi:10,1038/sj.ki.5001576 表題:Electrolyzed-reduced water reduced hemodialysis-induced erythrocyte impairment in end-stage renal disease patients 著者:Kuo-chin Huang, C-C Yang, S-P Hsu, K-T Lee, H-W Liu, S. Morisawa, K. Otsubo, and C-T Chien(台湾国立医科大学研究所及び同病院, 日本トリム他) 目的:終末期の腎疾患患者(ESRD)では、血液透析による酸化ストレスにより、赤血球が障害を受けることが問題となる。電解還元水(ERW)は、活性酸素種(ROS)を除去することを前報で報告したが、その結果として赤血球の減少が抑制されるか否かを検討する。 方法:43人のESRD患者をERW群、ビタミンC群、ビタミンE塗布透析器、および無処置群に群分けしてERWの効果を比較検討した。 結果:赤血球障害抑制効果は、ビタミンC→電解還元水→ビタミンE処置透析器の順で、電解還元水の明らかな効果が確認された。 … 続きを読む

カテゴリー: 4.2 腎透析, Kidney Internatonal, エリスロポエチン, サイトカイン, ビタミンC, ヘマトクリット, 副作用, 台湾国立医科大学研究所, 抑制効果, 活性酸素, 腎透析, 血液透析 |

4.2.3 電解還元水による腎透析患者の血液透析によって生じる酸化ストレスの低減効果

学術雑誌名:Kidney International, vol.64(2003), pp.704-714 表題:Reduced hemodialysis-induced oxidative stress in end-stage renal disease patients by electrolyzed reduced water 著者:Kuo-chin Huang, Chih-Ching Yang, Kun-tai Lee, and Chiang-Ting Chien(台湾国立医科大学研究所及び同病院他) 目的:終末期の腎疾患患者(ESRD)では血液透析により酸化ストレスが問題となる。電解還元水により活性酸素種(ROS)を除去することが出来るか検討する。 方法:10人の健常ボランティアと37人のESRD患者に対して日本トリム社製の電解還元水を3ヶ月間飲用させ、酸化マーカー、炎症マーカー、CRP等の変動を測定した。 結果:電解還元水飲用により ROS、取り分けH2O2 、HOCLが有意に減少 し、白血球や内皮細胞の障害が軽減され、透析によって生じる酸化ストレスを改善した。

カテゴリー: 4.2 腎透析, Kidney Internatonal, 台湾国立医科大学研究所, 活性酸素, 炎症, 白血球, 研究機関, 腎疾患, 腎透析, 血液透析 |

8.1 水素溶解アルカリイオン水が急激な運動に有効

学術雑誌名:アンチ・エイジング医学―日本抗加齢医学会雑誌、vol.4, No.1,p117-122 表題:急性運動負荷に伴う尿中酸化ストレスマーカーの変動に対する水素溶解アルカリイオン水の飲用効果 著者:小山勝弘他(山梨大学教育人間科学部及び医学工学総合研究部、松下電工(株)電器R&Dセンター) 概要:本研究では、運動に伴い惹起される酸化ストレスを水素溶解アルカリイオン水が抑制するか否かを 若い健常男性を対象に通常水との比較試験を実施。一日当たり0.9リットルを2週間連続飲用後、急性高強度運動負荷を与え酸化ストレスを 誘発させて尿中の酸化ストレスマーカーを測定。その結果、水素溶解アルカリイオン水は急性運動で生じる活性酸素を抑制し尿中酸化ストレスマーカーを低減させた。

カテゴリー: 8. スポーツ(運動負荷), アンチ・エイジング医学―日本抗加齢医学会雑誌, 山梨大学医学工学総合研究部, 山梨大学教育人間科学部, 松下電工株式会社電器R&Dセンター, 活性酸素, 研究機関 |

1.1.1 水素水はメタボリック症候群を予防

学術雑誌名:J. Clin. Biochem. Nutr., 46, p1~10, March 2010 表題:Effectiveness of Hydrogen Rich Water on Antioxidant Status of Subjects with Potetial Metabolic Syndrome- An Open Label Pilot Study (潜在的にメタボリック症候群を有する被験者の酸化状態に対する水素豊富水の効果:Open labelパイロット試験)(注:Open label studyとは試験対象者に検体の中身を開示して実施する臨床試験) 著者:Atsunori Nakao et al(所属機関 ピッツバーグ大医療センター、KGK Synergize, Inc.) 概要:メタボリック症候群は、肥満、インスリン抵抗性、高血圧、異脂肪症等を含む、心臓代謝危険因子を有することを特徴とする。 また、酸化ストレスは、このメタボリック症候群の発症に、重要な役割をしていることが知られている。 本試験は、潜在的メタボリック症候群被検者を対象に、open試験で水素豊富水を1.5-2リットル/日、8週間与えて、その効果を検討する目的で実施した。 … 続きを読む

カテゴリー: 1. 生活習慣病関連, 1.1. メタボリックシンドローム, J.Clin. Biochem. Nutr., インスリン, コレステロール, ピッツバーグ大医療センター, マグネシウム, メタボリックシンドローム, 善玉コレステロール(HDL), 水素水, 水素豊富水, 活性酸素, 研究機関, 肥満 |

1.2.4 ノルデナウ現象―天然還元水の治療への応用

学術雑誌名:Animal Cell Technology: Basic & Applied Aspects, Volume15, 279-285 (2008) 表題:”Nordenau Phenomenon” – Application of Natural Reduced Water to Theraphy” 著者:Z. Gadek, T. Hamasaki and S. Shirahata (Nordenau医学研究所及び九州大学) 目的:ドイツ・ノルデナウの泉水は、水素を多く含む天然の還元水として、ヨーロッパ及び世界から、当地に逗留して種々の病気の治療に供されている。 逗留する糖尿病患者に飲水により、血中活性酸素種(ROS)及び、糖尿病の臨床マーカー(血糖値、 HbA1c, コレステロール、HDL(善玉コレステロール)、LDL(悪玉コレステロール)等)に対する作用を検討する。 結果:主として2型糖尿病患者を対象に、1日2リットルの泉水を与え、逗留前後の上記マーカーの変動を調べた。 その結果、96患者中76.6%でROSが有意に減少した。 糖尿病マーカーでは、45%の患者で血糖値、HbA1cが取り分け顕著に減少し、そのほかにも、コレステロール(総コレステロール、LDL(悪玉コレステロール)、HDL(善玉コレステロール))及びクレアチニン等の改善が認められ、動脈硬化、循環器疾患等への応用が示唆された。 総括:ノルデナウ泉水は、1日2リットルの飲水で活性酸素種を減少させる抗酸化作用とあわせて、2型糖尿病に対する改善効果、循環器系への有用性があることが認められ、この作用はアルカリ還元水(水素豊富水)と同様の作用であった。 大きな地図で見る

カテゴリー: 1. 生活習慣病関連, 1.2. 糖尿病, Animal Cell Technology, Nordenau(ノルデナウ)医学研究所, コレステロール, ノルデナウ, 九州大学, 動脈硬化, 善玉コレステロール(HDL), 悪玉コレステロール(LDL), 抗酸化作用, 水素, 活性酸素, 糖尿病 |

1.2.3 電気還元水の糖尿病マウスの膵β細胞に対する保護効果

学術雑誌名:Biol. Pharm. Bull., 30(2) 234-236(2007) 表題:Preservative Effect of Electrolyzed Reduced Water on Pancreatic β-Cell Mass in Diabetic db/db Mice (糖尿病db/dbマウス膵β細胞容積に対する電気還元水の保存効果) 著者:Mi-Kim et al. (同徳女子大学肥満管理科、韓国他) 概要:糖尿病では、酸化ストレスにより膵β細胞の機能低下が起こる。 活性酸素種(ROS)の増加と、抗酸化防御能の低下に伴い、糖尿病の酸化ストレスは増大する。 従って、ROS消去能を有する電気還元水は、酸化ストレス状態にある糖尿病モデルマウスに対して潜在的効果が期待できる。 本報では遺伝的糖尿病マウスC57BL/6J-db/dbに対する抗糖尿病効果を検討した結果、電気還元水は血糖値低下作用、血中インスリン濃度上昇作用、耐糖能の改善作用、膵β細胞容積の保持作用等が認められた。 これらの結果は、電気還元水がβ-細胞の障害を保護し、抗糖尿病剤として有用であることを示唆している。

カテゴリー: 1. 生活習慣病関連, 1.2. 糖尿病, Biol. Pharm. Bull., インスリン, 同徳女子大学肥満管理科, 活性酸素, 研究機関, 糖尿病 |

10.1.8 水素水のマウス脳における抗酸化作用

学術雑誌名:Food Style21, Vol.13, No.1, p36~39(2009) 表題:水素水の飲用は脳の活性酸素を除去 著者:石神昭人(東邦大学薬学部)オリジナル文献:Sato.,et al,: Biochem.Biophys.Res.Commun., 375, 346(2008) 概要:マウスはヒトと違って、ビタミンCを体内で作ることができ、脳で活性酸素処理に活用している。 遺伝子操作により、ビタミンC合成不全マウス(SMP30/GNL遺伝子破壊マウス)を作製し、脳を酸化ストレス状態にして、水素の脳における活性酸素抑制機能を検討した。 高濃度水素溶解精製水を開発し、飲水により1カ月間摂取させ、ビタミンC水、水のみの群とリアルタイムに比較した。 この結果、水素水は水のみの群に比べて、ビタミンC欠乏による脳内の活性酸素の増加を約27%抑制することがわかった。 本研究に用いた高濃度水素溶解水は、活性酸素が一因である糖尿病、動脈硬化などの生活習慣病や、 アルツハイマー病などの神経変性疾患の予防に、手軽に飲める飲用水としてその効果が期待できる。

カテゴリー: 10. 水素の医療応用, 10.1.作用メカニズムに関する研究, Food Style21, 動脈硬化, 東邦大学薬学部, 水素水, 活性酸素, 生活習慣病, 研究機関, 糖尿病 |