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2.1 認知症・アルツハイマー病

2.1.4 水素豊富水は敗血症ラットの酸化ストレス、認知能、生存率を回復する

学術雑誌名:J. Surg. Res., 178(2012) 390-400 表題:Hydrogen-rich saline reverses oxidative stress, cognitive impairment, and mortality in rats submitted to sepsis by cecal ligation and puncture(水素豊富水は盲腸結紮および穿刺で起こる敗血症ラットの酸化ストレス、認知能、および生存率を回復する) 著者:Zhou, J. et al (Luzhou医科大他) 概要:敗血症は高い罹患率と致死率を伴い、生存者は認知機能低下を呈する。本報では水素豊富水の脳における酸化ストレス、認知機能異常、および生存率に対する効果をラット敗血症モデルを用いて検討した。敗血症は盲腸の結紮と穿刺によって作成し、生理食塩水または水素豊富生理食塩水を腹腔投与によって与え、その効果を比較した。活性酸素生成物、生存率、および海馬におけるSOD生成を測定した。認知能はモリス水迷路法によって判定した。さらに、アポトーシス能は関連酵素Caspase-3活性で調べた。海馬の病理組織的変化についてはHE染色法等によって検討した。 これらの結果から、水素豊富生理食塩水投与により敗血症で誘導された脳の酸化ストレスは抑制されて記憶機能低下を改善し生存率も上昇することが明らかになった。

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2.1.3 ラットアルツハイマー病の改善作用

学術雑誌名:Brain Res.(2010), doi:;10.1016/j.brainres.2010.02.046 表題:Hydrogen-rich saline improves memory function in a rat model of amyloid-induced Alzheimer disease by reduction of oxidative stress(水素豊富生理食塩水投与によってアミロイドで誘発したラットのアルツハイマー病モデルにおいて酸化ストレスを軽減して記憶機能が改善される) 著者:J. Li et al (中国医科大学、米国Loma Linda大、上海第2海軍医科大学) 概要:β-アミロイドはヒトのアルツハイマー病の主要原因因子として知られている。このβ-アミロイド(Aβ1-42)をS-D系ラットの脳血管弁内投与により神経炎症、学習力・記憶能低下等を伴うアルツハイマー病モデルを作成した。 Aβ1-42投与後14日間水素豊富生理食塩水を5mg/kg体重を腹腔内に連投してその効果を検討した。生化学検査により酸化ストレスの産物であるマロンジアルデヒド(MDA)、IL-6およびTNF-αをそれぞれ測定した。さらに、Morris水迷路試験により記憶並びに運動機能を、LTPにより電気生理学的機能を、HNEとGFAPを免疫組織化学的に測定して酸化ストレスとグリア細胞活性をそれぞれ評価した。

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2.1.2 水素水のマウスにおける認知機能の低下予防作用

学術雑誌名:Neuropsychopharmacology,(2008), 1-8(電子版) 表題:Consumption of Molecular Hydrogen Prevents the Stress-Induced Impairments in Hippocampus-Dependent Learning Tasks during Chronic Physical Restraint in Mice(分子水素摂取がマウスの慢性的身体拘束によって誘発される海馬依存性の学習能の障害を予防する) 著者:太田成男他(日本医科大学老人病研他) 概要:マウスに長期間身体拘束を与えると、脳内の酸化ストレスが亢進し、学習・記憶の認知機能が低下した。 水素分子を飽和させた水素水を当該マウスに自由摂取させ、脳内酸化ストレスマーカーおよび認知機能(3つの評価法)により検討した結果、 いずれも水素を含まない水を与たマウスに対して改善効果が認められた。 水素水により脳内の酸化ストレスが軽減され、その結果、学習・記憶に関与する神経の海馬細胞の傷害が低減し、学習能力や記憶力低下が防がれたことが示唆された。

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2.1.1 水素豊富水のマウス認知症に対する発症予防効果

1. 学術雑誌名: J. Clin. Biochem. Nutr., 46,1-8, May 2010 表題:Drinking hydrogen water ameliorated cognitive impairment in senescence-accelerated mice 著者:具然和他(鈴鹿医療科学大学大学院保健衛生学研究科、Hi-tech 研究所),中尾篤典 (ピッツバーグ大)他 概要:老化促進マウス(SAMマウス)を用いて、水素豊富水を自由摂取させ、脳に与える影響及び認知症発症に対する予防効果を検討。 水素豊富水群では、水素を含まない対照群に比べて、抗酸化酵素SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)様酵素の上昇による抗酸化作用、Morris水迷路試験における、学習・記憶能(空間認知能)の改善傾向、脳内セロトニンの上昇、さらには、記憶・学習等に関与する脳神経の海馬組織であるCA1,CA3細胞密度の低下が減少していること等が認められ、水素豊富水投与により、老化促進マウスの認知症発症が軽減されることが示唆された。 2. 学術雑誌名:医学と生物学、第152巻、第9号、p351~367(2008) 表題:マウス認知能に対する水素豊富水の効果に関する研究: 脳内ホルモン分泌量、記憶改善、過酸化脂質、海馬の組織学的変化等について 著者:具然和他(鈴鹿医療科学大学大学院保健衛生学研究科、Hi-tech 研究所)

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