2.3.9 分子水素はマウスの神経性疼痛を軽減する

学術雑誌名:Plos One,June 2014,Vol. 9, I ssue 6, e100352(電子版)

表題:Molecular hydrogen Attenuate Neuropathic Pain in Mice.(分子水素はマウスの神経性疼痛を軽減する)

著者:Kawaguchi M. et al.(防衛医大)

概要:神経性疼痛は難治性であり早急に新たな治療法の開発が望まれている。近年、酸化ストレスの過剰生産がこの疾患の病因のキーとなっていることが明らかになってきた。しかしながら、不適切な抗酸化物質を腹腔内やくも膜下に継続して投与することは実用上困難である。本研究ではマウスの坐骨神経結紮によって起こる疼痛モデルを用いて飽和レベルの水素水を3週間自由に飲水させることによって分子水素水の神経性疼痛に対する効果を検討した。機械的な異痛および痛覚過敏を指標として測定した結果両指標は明らかに軽減された。結紮初期(0~4日)に水素水を与えた場合は両指標とも改善されたが維持期(4~21日)のみに与えた場合痛覚過敏は改善されたが異痛には効果はなかった。また、免疫学的病理解析において酸化ストレスマーカーは低下した。これらの結果から水素水投与は臨床的にも神経性疼痛に対する改善作用が期待されることが示唆された。

カテゴリー: 2.3 その他の神経疾患   パーマリンク

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