14.2 宇宙飛行士の被曝を防ぐ

水素は宇宙飛行士の放射線被曝(ひばく)障害を予防できるか

学術雑誌名:Proceeding of Nuclear and Emerging Technologies for Space 2011,Feb. 7-10

表題:A Hypothesis on Biological Protection from Space Radiation Through the use of New Therapeutic Gases.(新たな治療用ガスを用いて宇宙での被曝(ひばく)から宇宙飛行士を守る事が期待される)

著者:M.P. Schoenfeld, R.R. Ansari, A. Nakao, D. Wink.(所属機関:NASA宇宙飛行センター、ピッツバーグ大学)

概要:宇宙飛行士が長期滞在する場合放射線被曝(ひばく)は大きな障害となる。宇宙放射線を遮蔽する技術は現状ではまだ課題が多く被曝(ひばく)による飛行士の障害は問題である。放射線障害は放射線によって生じる酸化ストレスに起因するところが大きく、臨床症状の発現あるいは発症する前に酸化ストレスを防ぐ事が重要であろう。

本報では化学的及び生物学的技術を用いて酸化ストレスを軽減するシステムについて仮説を提案する。新たな医療用ガスとしての有用性の研究から、CO, H2、NO及びH2Sの放射線防御に於ける有用性を提案する。

分子状水素(H2)を初め、これらの治療用ガスは心疾患、ガン、慢性炎症、高血圧、虚血再還流障害、急性呼吸器疾患、パーキンソン病やアルツハイマー病等で認められた酸化ストレス抑制作用による疾患の予防・改善作用と同様に宇宙飛行中の放射線障害に対しても有効である事が期待できる。

カテゴリー: 14. 放射線に対する防御作用:動物試験、ヒト臨床試験, NASA宇宙飛行センター, Proceeding of Nuclear and Emerging Technologies for Space, ガン, パーキンソン病, ピッツバーグ大医療センター, 呼吸器疾患, 宇宙飛行士, 慢性炎症, 放射線, 水素, 研究機関, 虚血再還流障害   パーマリンク

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