7.2 水素は心臓移植後の障害を軽減し、移植心臓の維持効率を上げる

ISHLT

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学術雑誌名:心臓・肺移植国際学会30回記念集会抄録集 No.490、2010年4月21~24、シカゴ(米国) International Society for Heart and Lung Transplantation, 30th Anniversary Meeting and Scientific Session, Apr. 21-24, 2010, Chicago

表題:Adding a Hydrogen-Producing Magnesium Stick to the Drinking Water Protects Cardiac Allografts and Reduces Allograft Vasculopathy in Rats.(飲料水に水素を発生するマグネシウムスティック入れると同種移植心臓を保護する作用がある)

著者:A.. Nakao., S. Lee, C-S.Huang, Z. Wang N.. Shigemura, and Y. Toyoda(米国ピッツバーグ大学外科部門心臓・肺・食道外科研究所)

概要:同種ラットに異所性に移植した心臓移植後の維持効率に関して、水素水飲水の効果を検 討した。
水素水は、飲水に水素ガスを吹き込んだ水(A群)とマグネシウムスティックを入れて水素を発生した水(B群)を用いた(水素濃度:0.5mM)。
対照としては、飲料水のみの群(C群)、及び水素を含む水から水素ガスを脱気して除いた水(D群)を用いた。
移植した心臓の機能は、触診による心拍数で評価した。
移植し た心臓の平均寿命は、C群:49.5日、D群:51.5日であったのに対して、A群、B群ともに100日以上であった。
また、摂取15分後の血中の水素ガス 濃度は、A群、B群が平均28.6μMであったのに対して、C群およびD群では8.1μMであった。
心臓移植により、組織に炎症細胞の浸潤の増加、動脈内膜の増殖等が病理的に観察されたが、水素水群ではこれらの所見は顕著に減少した。
飲水水素水中の水素ガスは速やかに吸収され、抗酸化作用を介して移植細胞の保護・保持に寄与していることが示唆された。

カテゴリー: 7. 臓器移植、心、肺、腎、腸等, ピッツバーグ大医療センター, マグネシウム, 心臓・肺移植国際学会30回記念集会抄録集, 抗酸化作用, 水素, 水素水, 炎症, 研究機関   パーマリンク

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