学術雑誌名:J. Heart and Lung Transplantation.,
表題:Amelioration of rat cardiac cold ischemia/reperfusion injury with inhaled hydrogen or carbon monoxide , or both(水素ガスまたは一酸化炭素、或いは両者の吸引によってラットの心筋の冷却虚血―再還流による障害が改善される)
著者:Atsunori Nakao et al. (ピッツバーグ大学、クリーブランドクリニック他)
概要:同種ラットを用いて異所性に移殖した心臓に、冷却虚血/再還流を施して生じる心筋障害について、生存率、形態観察、アポトーシス(プログラム細胞死)、マーカー遺伝子の変動等を指標として、水素ガス、一酸化炭素、または両者を一緒に吸引 する事により障害に対する影響を検討した。
障害発症後6時間後に、水素ガス、または一酸化炭素単独を吸引させると、心筋障害は軽減したが、18時間後の重度の障害に対しては、有意な防御作用は見られなかった。
しかしながら、両者を併用すると梗塞面積の縮小、血清中のトロポニンⅠ、及び CPK の減少等有意な作用が観 察された。
水素と一酸化炭素の併用により、抗酸化作用並びに抗炎症作用を介して、治療効率が上昇する事がわかった。