1.4.5 急性脳梗塞患者に対する水素豊富水の静脈内投与の安全性:初期臨床試験 

学術雑誌名:Med. Gas Res. 2013, 3:13

表題:Safety of intravenous administration of hydrogen-enriched fluid in patients with acute cerebral ischemia: initial clinical studies
(訳:急性脳梗塞患者に対する水素豊富水の静脈内投与の安全性:初期臨床試験)

著者:K. Nagatani et al(防衛医大神経外科)

背景:これまで脳梗塞に対する水素療法のほとんどが数人の患者を対象とした試験的研究あるいは動物試験であり、急性脳梗塞に対する水素水投与の有用性と危険性等に関する情報が不足している。本研究は急性脳梗塞患者に対し水素水投与のメリットとリスクを試験的に調べることを目的とした。

方法:本研究では急性脳梗塞で入院した38人の患者を対象に非盲検法、非無作為法により急性脳梗塞の診断後直ちにedaravoneに加えて水素豊富水を静脈内投与した。具体的には、発症後3時間以内にt-PA投与するか、t-PA投与と同時に水素水とedaravone投与を開始した。

結果:合併症は下痢が一人、心不全が一人見られたが生化学試験、尿試験、ECG、胸部X線等において悪化は認められなかった。また、NIH発作指標値(NIHSS)は試験開始時と7,30、90日に測定したが、経時的に減少した。早期の再貫通はt-PA投与した11人中4人に見られた。出血性変化は2人に認められた。t-PA投与したどの患者にも頭蓋内出血兆候は観察されなかった。

結論:本試験の結果から水素豊富水の静脈内投与はt-PA投与の有無にかかわらず急性脳梗塞患者に対して安全であることが認められた。

カテゴリー: 1.4. 高脂血症・心筋梗塞・脳梗塞・老化, Med. Gas Res |

1.2.6 電気還元水は1型糖尿病モデルマウスの発症を予防

学術雑誌名:Cytotechnology, DOI 10.1007/s10616-9317-6(published 10 Nov. 2010)

表題:Suppresive effects of electrolyzed reduced water on alloxan-induced apoptosis and type 1 diabetes mellitus(アロキサンで発症するアポトシスと1型糖尿病に対する電気還元水の抑制作用)

著者:Y. Li et al(九州大学他)

概要:電気還元水は活性酸素産物(ROS)の消去作用を介して糖尿病等の多くの疾患に対して改善作用があることが知られている。アロキサンはROSを産生してインスリン産生細胞に不可逆的に酸化障害を与え実験動物において1型糖尿病を惹起する。電気還元水はすい臓β細胞のDNA傷害を防ぎマウスに投与すると1型糖尿病の血糖値を下げる。これらの作用は電気還元水がROS産生を改善して膵β細胞のアポトーシス(細胞自然死)を防ぎ、その結果1型糖尿病の発症を抑えることを示唆している。

カテゴリー: 1.2. 糖尿病, Cytotechnology |

4.1.4 食塩感受性ラットの老化による心—腎傷害悪化に対する電気還元水の投与効果

学術雑誌名:Med. Gas Res., 2013,3:26

表題:Amelioration of cardio-renal injury with aging in dahl salt-sensitive rats by H2-enriched electrolyzed water(高濃度水素電気還元水による食塩感受性ラットの老化による心—腎臓傷害の改善)

著者:Wan-Jun Zhu et al,(東北大医他)

概要:Dahl水素感受性ラットは老化に伴って心臓の改悪(間質の線維化を伴った心筋細胞の肥大化)、腎臓の尿細管線維化による糸球体硬化等の病理的変化が起こる。このラットに48週の長期間にわたって、次の3群、すなわち①濾過水(FW、水素濃度492.5 ppb)、②水素高濃度電気還元水(EW)、③電気還元水から水素を除いた水(DW)を投与してその効果を比較検討した。
その結果3群共に血圧の上昇は抑制されなかったが病理的な解析の結果(EW)群だけが心筋繊維の肥大、腎臓の糸球体硬化等の悪化が抑制され、更には、炎症反応や酸化ストレスのマーカーも低下軽減した。
これらの結果は食塩感受性ラットの老化によっておこる高血圧、それに伴う心臓、腎臓の病的悪化が水素水摂取によって軽減されることを示唆している

カテゴリー: 4.1  腎炎、腎症, Med. Gas Res |

4.3.2 薬剤による腎障害に対する水素水の有効性をMRI法により評価

学術雑誌名:その1.Magn. Reson. Med. Sci., 2011; 10(3): 169-76
     :その2.Jpn. J. Radiol., 2011 Aug; 29(7): 503-12. Epub 2011 Sep 1

表題:その1. Protective effect of hydrogen-rich water against gentamicin-induced nephrotoxicity in rats using blood oxygenation level-dependent MR imaging(血液酸化度を指標としたMRI法によりラットのゲンタマイシン発症腎毒性に対する水素豊富水の防御効果を確認)
  :その2. Investigation of protective effect of hydrogen-rich water against cisplatin-induced nephrotoxicity in rats using blood oxygenation level-dependent magnetic resonance imaging(血液酸化度を指標としたMRI法によりラットのシスプラチン発症腎毒性に対する水素豊富水の防御効果を確認)

著者:T. Matsushita et al.(大阪大医)

目的:抗がん剤のシスプラチン及びグラム陰性菌に有効な抗菌剤ゲンタマイシンは両薬剤とも有効性は高いがその腎毒性発症が臨床上のネックとなっている。水素豊富水投与により両薬剤の腎毒性発症の軽減作用を血液の酸化度を指標としたMRI法により評価する。

方法:ラットを用い(1)通常水単独自由摂取群、(2)水素豊富水自由摂取群をシスプラチン(またはゲンタマイシン)投与または無投与の2群、の計3群に分けてMRI法により測定評価する

結果:MRI測定法の有用性を確認し、この方法で評価した結果、水素豊富水投与によりシスプラチンまたはゲンタマイシンの腎毒性が細胞毒性の高い活性酸素の産生抑制によって軽減される事が明らかになった。

カテゴリー: 4.3 膀胱炎、排尿障害、その他の腎疾患, Jpn. J. Radiol, Magn. Reson. Med |

15.2 水素水を経管栄養法で与えると寝たきりの床ずれに有効

学術雑誌名: Med. Gas Res,2013, 3:20 doi:10.1186/2045-9912-3-20

表題: Hydrogen water intake via tube-feeding for patients with pressure ulcer and its reconstructive effecs on normal skin cell in vitro.
(水素水の経管栄養投与による床ずれ患者に対する効果と正常皮膚細胞の培養法による再構成効果)

著者:Li Qiang et al.(Butsuryo大、広島化成他)

概要:寝たきり老人の床ずれに有効な方法はない。水素水(HW)の抗酸化機能等を応用して寝たきりの入院患者の老人22人に対して水素水(0.8-1.3ppm濃度)を経チューブで2ヶ月間投与してその効果を検討した。その結果対象として用いた通常水(水素を含まない)に比較し損傷皮膚面積の縮小・回復効果と入院期間の短縮等有意な効果が認められた。さらに、ヒトの皮膚繊維芽細胞及びケラチン生成細胞の培養細胞にUV照射による傷害に対する予防効果を水素を含まない通常水(RW)と比較検討した。その結果HWによって繊維芽細胞の1型コラーゲンの再構築、あるいはケラチン細胞のミトコンドリアの還元力の促進ならびに酸化産物(ROS)蓄積が抑制された。これらの結果から水素水摂取は寝たき
り老人の床ずれの治療に有効である可能性が示唆された。

カテゴリー: 15. 皮膚、スキンケア, Med. Gas Res |

9.2 水素豊富生食水投与により網膜の光障害を予防・修復

学術雑誌名:Med. Gas Res, 2013, 3:19 doi:10.1186/2045-9912-3-19

表題:Hydrogen-rich ameliorates the retina against light-induced damage in rats.
(水素豊富食塩水投与によってラット網膜の光傷害を予防する)

著者:L. Tian et al.(第4軍事大宇宙医学研、中国)

概要:眼の網膜の光傷害の主たる原因は活性酸素による。水素水の網膜障害に対する効果を検討するためラットを3群、すなわち①光傷害群(水素水を含まない生理食塩水投与)、②水素水予防投与群(光傷害を与える前から水素水投与)、③水素水治療投与群(光傷害を与えたのちに水素水を投与)に分けて比較試験を行った。LEDで右目に光を与え傷害を起こし、左目はカバーして対象とした。評価は5日後に網膜電図測定とHE染色後に外核層の厚さを病理学的に測定する2つの方法を用いた。水素豊富食塩水②群では光照射30分前、③群は光照射後からそれぞれ体重1kg当たり5mlを毎日腹腔内投与した。その結果、②群、③群ともに①群に比べて有意な予防と改善が認められ、水素豊富生理食塩水の投与によってラットを用いた網膜の光傷害に対して予防・改善作用があることが分かった。

カテゴリー: 9. 眼疾患, Med. Gas Res |

18.2 水素水は卵巣切除ラットの骨減少を抑制する

学術雑誌名:Blitish J. Pharcol,(2013) 168, 1412-1420

表題:Hydrogen water consumption prevents osteopenia in ovariectomized rats.(水素水摂取によって卵巣摘除したラットの骨減少が抑制される)

著者:Ji-Dong Guo et al (北京人民自由病院骨粗鬆科)

概要:卵巣摘除によって骨減少がおこるがその原因の一つとして酸化ストレスが報告されている。本報では卵巣摘除したラットを骨粗鬆症のモデルとして用いて水素水投与による効果を検討した。卵巣切除ラットに1.3±0.2mg/リットルの水素水を3ヶ月間投与した。水素水は女性ホルモンのエストロゲンを上昇させることはなく骨密度、並びに容積を増加した。また、酸化ストレスは諸種のマーカーで測定した結果改善された。これらの結果から、水素水投与によって卵巣切除によるエストロゲンの低下によって誘導された酸化ストレスの軽減を介して骨減少を低減することが示唆された。水素水は閉経後の骨粗鬆症予防に有用であることが期待される。

カテゴリー: 18. 骨疾患、骨代謝に対する作用, Blitish J. Pharcol |

7.10 水素豊富水水槽を用いた心臓移植片の保存法

学術雑誌名: J. Heart Lung Transplantation, 2013,Feb ; 32(2):241-50

表題:A novel method of preserving cardiac grafts using a hydrogen- rich water bath (水素豊富水水槽を用いた心臓移植片の新たな保存方法)

著者: Noda, K. et al(ピツバーグ大、北里大)

概要:心移植時に移植片を損傷なく冷所保存する装置が必要である。分子水素は抗酸化、抗炎症、抗アポトーシス作用を介して臓器の保全に有効であることが期待できる。本報ではラットの心移植片を新たに開発した水素豊富水を加えた冷電解槽に保存することによって心臓の梗塞・再環流によって起こる心筋傷害が効率的に抑制されることを明らかにした。この装置は今後心臓移植において臨床的にも応用できる可能性を有することが期待される。

カテゴリー: 7. 臓器移植、心、肺、腎、腸等, J. Heart and Lung Transplantation. |

5.6 水素豊富生理食塩水はラットの熱傷モデルにおいて急性肺傷害を軽減

学術雑誌名:J. Burn. Care Res, 2011 May-Jun ;32(3): e82-91

表題:hydrogen-rich saline protects against acute lung injury induced by extensive burn in rat model.(水素豊富食塩水はラットモデルにおいて広範囲の熱傷によって生じる急性肺障害を防ぐ)

著者:Fang Y.et al(上海交通大)

概要:分子水素は選択的な新規抗酸化物質として、とりわけヒドロキシラディカルを消去し、多くの疾患モデルにおいて有効な作用が報告されている。本報ではラットの熱傷モデルで発症する肺障害に対する水素豊富水投与の効果を検討した。対象として偽手術+正常生理食塩水群、熱傷+正常食塩水群負荷、熱傷+治療薬edaravone9mg/kg群を設定し、水素豊富水投与群(5ml/kg)と比較した。各群とも熱傷処置6時間後に乳酸リンゲル液投与を行い、12時間後に肺サンプルを採取した。蘇生処置が遅れると肺浮腫と酸素供給の減少が生じた。水素豊富水群とedaravone群では有意な改善が認められ、肺の活性酸素による産物の生成も減少した。熱傷に伴う肺の酸化ストレスによる炎症は水素豊富食塩水の投与によって画期的に軽減されることがわかった。

カテゴリー: 5. 呼吸器疾患, J. Burn. Care Res |

4.3.1 間質性膀胱炎・疼痛性膀胱症候群に対する水素豊富水の臨床効果

学術雑誌名:Urology, 2013 Feb; 81(2):226-30. Doi:10.1016j.urology.2012.10.02:14

表題:Effect of supplementation with hydrogen-rich water in patients with interstitial cystitis/painful bladder syndrome.(間質性膀胱炎及び疼痛性膀胱症候群患者に水素豊富水を補てん投与の効果)

著者:S. Matsumoto et al(旭川医大)

背景:間質性膀胱炎及び疼痛性膀胱症候群患者(IC/PBS)に対して水素豊富水の効果を2重盲検法にて臨床評価した。定法により臨床所見の評価と疼痛に対する効果を総合的に評価した。30人の患者(女性29人、男性1人)を水素水群と偽薬群の2群に分けて検討した結果、水素水、偽薬両群ともに膀胱痛は有意に減少した。しかしながら、臨床所見において水素水群は偽薬群と比べて有意差は認められなかったが水素豊富水を補てん的に与えると患者の11%において膀胱痛には極めて効果があった。

カテゴリー: 4.3 膀胱炎、排尿障害、その他の腎疾患, Urology |