カテゴリー別アーカイブ: サイトカイン

7.1 小腸移植後障害の予防効果

学術雑誌名:American J. of Transplantation, 2008, 8: 1-10 表題:Hydrogen Inhalation Ameliorates Oxidative Stress in transplantation Induced Intestinal Graft Injury(水素吸引により小腸移植障害で生じる移殖による酸化ストレス障害を改善する) 著者:B.M.Buchholz et.al(所属機関 ピッツバーグ大学外科スターツル研究所、他) 概要:小腸移植後時に、虚血再還流により運動不全、炎症、臓器不全等が起こる。 水素吸引により、活性酸素種の高毒性・OHが排除され事から、上記移殖障害が水素吸引によって改善される事が期待される。 ルイスラットに同種移植した後、2%水素ガス吸引により上記組織障害は、有意に改善された。同時にCCL2等の炎症性サイトカインが減少し、脂質過酸化及びその産物のマロンジアルデヒドも低下した。 この事は、移殖による障害は酸化ストレスに多く起因する事示唆した。 水素吸引は酸化ストレスによる腸の移殖障害を抑制するとともに抗酸化作用を介する抗炎症作用により遠位の臓器の障害も予防する事が明らかになった。 これらの結果は、小腸移植障害に対して、水素吸引が臨床的に有用であることを示唆している。

カテゴリー: 7. 臓器移植、心、肺、腎、腸等, American J. of Transplantation, サイトカイン, ピッツバーグ大医療センター, 抗炎症作用, 水素, 活性酸素, 炎症, 研究機関, 虚血再還流障害 |

4.2.2 電解還元水は終末腎透析患者の血液透析によって生じる赤血球障害を減少した

学術雑誌名:Kidney International advance online publication, 7 June 2006; doi:10,1038/sj.ki.5001576 表題:Electrolyzed-reduced water reduced hemodialysis-induced erythrocyte impairment in end-stage renal disease patients 著者:Kuo-chin Huang, C-C Yang, S-P Hsu, K-T Lee, H-W Liu, S. Morisawa, K. Otsubo, and C-T Chien(台湾国立医科大学研究所及び同病院, 日本トリム他) 目的:終末期の腎疾患患者(ESRD)では、血液透析による酸化ストレスにより、赤血球が障害を受けることが問題となる。電解還元水(ERW)は、活性酸素種(ROS)を除去することを前報で報告したが、その結果として赤血球の減少が抑制されるか否かを検討する。 方法:43人のESRD患者をERW群、ビタミンC群、ビタミンE塗布透析器、および無処置群に群分けしてERWの効果を比較検討した。 結果:赤血球障害抑制効果は、ビタミンC→電解還元水→ビタミンE処置透析器の順で、電解還元水の明らかな効果が確認された。 … 続きを読む

カテゴリー: 4.2 腎透析, Kidney Internatonal, エリスロポエチン, サイトカイン, ビタミンC, ヘマトクリット, 副作用, 台湾国立医科大学研究所, 抑制効果, 活性酸素, 腎透析, 血液透析 |

3.2.1 水素は結腸の炎症を予防

学術雑誌名: Biochem. Biophys. Res. Comm.(2009),doi:10.1016/j.bbrc.2009.05.117 表題: Hydrogen mediates suppression of colon inflammation induced by dextran sodium sulfate(水素はデキストラン硫酸で起こした結腸の炎症を抑制) 著者: Mikihito Kajiya et al (所属機関 The Forsyth Institute, Boston) 概要:分子状水素が、その抗酸化作用によって虚血―再還流による障害を予防する事が知られている。 本報告では、水素の抗炎症作用を調べる為に、ヒトの炎症性腸疾患のモデルマウス、即ち、(1)5%デキストラン(DSS)群、(2)DSS+水素群、(3)水素群の3群を設けて、水素溶解水の効果を検討した。 病理所見、体重減少、大腸炎指数、患部の炎症性サイトカイン等の指標が、水素水飲水により有意に改善し、DSSによって起こるマクロファージ浸潤を伴う、腸組織の障害も明らかに抑制され、水素水の有効性が認められた。

カテゴリー: 3. 消化器疾患関連:腸疾患、肝臓病、膵臓病等, 3.2 腸疾患, BIochem.Biophys.Res.Comm., The Forsyth Institute, サイトカイン, マクロファージ, 抗酸化作用, 水素, 炎症, 研究機関, 結腸, 虚血再還流障害 |

5.1 水素吸引により人工呼吸器による肺障害が軽減

学術雑誌名:Critical Care, (2011) in press 表題:Hydrogen Inhalation Ameliorates Ventilator-induced Lung Injury.(水素吸引により人工呼吸器によって生じる肺障害が軽減される) 著者:C. S. Huang, A.. Nakao. S. Lee, Z. Wang N.. Shigemura, T. R. Billar, and Y. Toyoda (米国ピッツバーグ大学外科部門心臓・肺・食道外科研究所) 概要:機械的な肺換気により遠位気道や肺細胞に炎症反応や酸化ストレスを誘発し、人工呼吸 器誘発性の肺障害(VILI)が起こり、更には全身性の炎症、気道細胞死、ついには多臓器不全を招くことが知られている。マウスに3時間人工呼吸を行い、 生じたVILIに対して気管支肺胞洗浄を行い好中球浸潤、炎症サイトカインの遺伝子レベルの解析等の肺・気道機能の変化を分析した。人工換気によって増悪 した炎症性諸因子の変化は水素ガス吸引処置によって有意に改善された。水素吸引療法は臨床的に有用性が高いことを強く示唆した。

カテゴリー: 5. 呼吸器疾患, Critical Care, サイトカイン, ピッツバーグ大医療センター, 人工呼吸器, 水素, 炎症, 研究機関, 肺障害 |