カテゴリー別アーカイブ: 4.1  腎炎、腎症

腎炎、腎症

4.1.4 食塩感受性ラットの老化による心—腎傷害悪化に対する電気還元水の投与効果

学術雑誌名:Med. Gas Res., 2013,3:26 表題:Amelioration of cardio-renal injury with aging in dahl salt-sensitive rats by H2-enriched electrolyzed water(高濃度水素電気還元水による食塩感受性ラットの老化による心—腎臓傷害の改善) 著者:Wan-Jun Zhu et al,(東北大医他) 概要:Dahl水素感受性ラットは老化に伴って心臓の改悪(間質の線維化を伴った心筋細胞の肥大化)、腎臓の尿細管線維化による糸球体硬化等の病理的変化が起こる。このラットに48週の長期間にわたって、次の3群、すなわち①濾過水(FW、水素濃度492.5 ppb)、②水素高濃度電気還元水(EW)、③電気還元水から水素を除いた水(DW)を投与してその効果を比較検討した。 その結果3群共に血圧の上昇は抑制されなかったが病理的な解析の結果(EW)群だけが心筋繊維の肥大、腎臓の糸球体硬化等の悪化が抑制され、更には、炎症反応や酸化ストレスのマーカーも低下軽減した。 これらの結果は食塩感受性ラットの老化によっておこる高血圧、それに伴う心臓、腎臓の病的悪化が水素水摂取によって軽減されることを示唆している

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4.1.5 水素豊富食塩水は腎臓の虚血―再環流障害を予防する

学術雑誌名:J. Anesth.18 May 2010  doi: 10.1007/s00540-010-0942-1 表題:Hydrogen-rich saline solution attenuates renal ischemia-reperfusion injury(水素豊富水は腎臓の虚血―再環流障害を改善する) 著者:C. Shingu et al(大分医大) 目的:急性腎障害の重要な原因である虚血―再環流障害は腎移植を含む種々の手術、腎動脈の血行再建術、腎の部分摘出、副腎動脈瘤等において避けることができない要因である。分子水素(H2)は細胞傷害性の活性酸素を抑制する作用が知られている。ラットを用いて水素水投与による腎臓の虚血―再環流障害発症抑制を検討する。 方法:水素ガス吹き込み法によって作成した水素豊富水を静脈投与により腎臓の虚血―再環流後24時間与えて、対象に用いた水素を含まない精製水と比較した。電子顕微鏡による病理学的な評価並びに血清中の8-OHdG(活性酸素による産物)の測定を実施した。 結果:通常水を与えた群では虚血―再環流によって反対側の血漿単核球の化学誘因性protein-1、メチルグリオキサルや血中尿素体窒素等が有意に上昇し、病理解析においても糸球体吸着、心臓の線維化、ED-1陽性細胞、ニトロチロシン染色等が腎、心臓で認められた。一方、水素水投与群ではこれらの変化は有意に抑制された。これらの結果から、電気分解によって精製する水素水を自由摂取させることにより、慢性腎臓病モデルラットの虚血―再環流による、腎・心臓障害が予防されることが示唆された。

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4.1.3 食塩感受性慢性腎疾患ラットの虚血性心―腎障害に対する水素水投与効果

学術雑誌名:Nephrol. Dial. Transplant.,(2010) 1of 7 doi: 1.1093/ndt/gfq 727 表題:Intake of water with high levels of dissolved hydrogen (H2) suppresses ischemia-induced cardio-renal injury in Dahl salt-sensitive rats(高濃度の水素溶存水の摂取により食塩感受性Dahlラットにおける虚血誘発性の心―腎臓障害が抑制される) 著者:Wan-Jun Zhu et al,(東北大医他) 目的:分子水素(H2)は細胞傷害性の活性酸素を抑制する作用が知られている。水素水投与による食塩感受性慢性腎臓病ラットの虚血性心―腎臓疾患の発症抑制を検討する。 方法:Dahl食塩感受性ラット(高食塩摂取によって発症する)に食塩食を与え、これに通常水または水素溶解電解水を自由摂取で投与し、6週間後に一方の腎臓を虚血―再環流した。その1週間後にもう一方の腎臓および心臓の傷害の程度を比較検討した。 結果:通常水を与えた群では虚血―再環流によって反対側の血漿単核球の化学誘因性protein-1、メチルグリオキサルや血中尿素体窒素等が有意に上昇し、病理解析においても糸球体吸着、心臓の線維化、ED-1陽性細胞、ニトロチロシン染色等が腎、心臓で認められた。一方、水素水投与群ではこれらの変化は有意に抑制された。これらの結果から、電気分解によって精製する水素水を自由摂取させることにより、慢性腎臓病モデルラットの虚血―再環流による、腎・心臓障害が予防されることが示唆された。

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4.1.2 水素水は移植腎症を予防

学術雑誌名:Kidney Internatonal, (2009), p1~9 表題:Oral hydrogen water prevents chronic allograft nephropathy in rats.(飲用水素水は、ラットの腎移植後の慢性移植腎症を予防する) 著者:中尾篤典、他(所属機関 ピッツバーグ大学外科スターツル研究所他) 概要:活性酸素種がひきおこす組織障害は、腎移植後におこる慢性移植腎症の原因のひとつに数えられている。 水素は活性酸素種を取り除く働きをすることから、われわれは水素水の飲用が慢性移植腎症の諸症状を改善すると仮説をたて、実験を行った。

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4.1.1 分子水素(H2)は抗がん剤シスプラチンによって起こる腎毒性を軽減する

学術雑誌名:Cancer Chemothe.Phamacol., (2009) 64: 753-761 表題:Molecular hydrogen alleviates nephrotoxicity induced by an anti-cancer drug cisplatin without compromising anti-tumor activity in mice(分子水素(H2)はマウスで抗がん剤のシスプラチンによって起こる腎毒性をその抗がん作用を抑えることなく軽減する) 著者:Naomi Nakashima-Kamimura et al(日本医科大学) 概要:シスプラチンは汎用されている抗がん剤であるが酸化ストレスによる腎毒性が強いため その使用が限られる。 著者らはこれまでに、分子状水素(H2)が酸化ストレスを削減することを報告してきたが、本研究ではマウスを用いて、水素がシスプラチンの抗がん剤としての効力に影響することなく、腎に対する副作用を緩和する事を明らかにした。

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